2010年10月27日水曜日

ルルド巡礼記(5)

ルルドは感謝に満ちた場所でした。

一組の家族が来ていました。
若い両親と4人の子ども達。一番下の赤ちゃんは
お父さんの腕の中に抱かれていました。
元気な赤ちゃんなのですが、左腕がマヒしていて
動かないのが分かります。
泉の湧き出る洞窟の中を通り、熱心に祈って出て来た時、
若い両親の顔には大粒の涙がポロポロ流れ落ちていました。
お互いが その涙でクシャクシャの顔を見つめながら
胸が一杯の様子で、そのまなざしは喜びと感謝に
溢れていました。

赤ちゃんは、お父さんの腕の中で両足と右腕を元気に動かしています。
ですが相変わらず左腕は動きません。若い両親は彼らの赤ちゃんの左腕が
治るという『奇跡』を求めてここルルドにやって来たのかもしれません。
慰めと希望を求めて来たのかもしれません。
身体的な奇跡は得られませんでしたが、心は満たされたようでした。

若い両親と4人の子ども達は、偶然その後の大聖堂でのミサで私達と一緒になりました。
彼らは斜め後ろに仲良く家族一緒に座って居ましたが、
赤ちゃんは聖体拝領の頃にミサに飽きてしまったようで、
『もう、いい加減にしてよう』と訴えんばかりに泣き出してしまい、
若い両親は赤ちゃんを慈愛に満ちた眼差しで見つめながら優しくなだめていました。

ルルドでは、病気の人・身体の不自由な人・弱く小さい人達が全てにおいて優先されます。
その赤ちゃんも例外ではありません。いつもなら うるさく感じるであろう泣き声も、
不思議と気にはなりませんでした。
ミサの後、何人もの巡礼者達がその両親や赤ちゃんに優しく話し掛け、
明るく応える彼らも嬉そうにしていました。

ルルドは優しさに溢れる場所でした。
つづく
by Y.Y.  

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2010年10月22日金曜日

ルルド巡礼記(4)

ルルドと一言で言いましても、
聖域とその外では様子が大分違います。
その聖域ですが、とても広いです。
吉祥寺の井の頭公園位の大きさはあるでしょうか。
東京カテドラルにあるルルドの洞窟は、

等身大のレプリカだと聞いていましたので、
現地の本物のルルドも、東京カテドラル程の敷地内に
ひっそりと洞窟があるのだと思っていたんです。
ですが実際は全く違っていました。

そこは祈りの為に守られています。
緑の美しい広大で静かな敷地。そして柵の向こう、小さな橋を渡ると、
目の前に吉祥寺駅前の商店街並みにお土産屋さんが軒を連ねています。

このコントラストもルルドの特徴の1つとして巡礼者の心に残ります。
つづく

by Y.Y.

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2010年10月8日金曜日

ルルド巡礼記(3)

ルルド

それは祈りに満ちた場所でした。
巡礼者達の祈り・感謝・願い・哀しみ

それらが1つに溶け合って、訪れる人を包んでくれます。

主が私達に示された深い愛と聖母の慈しみに癒され、

皆、感謝と癒しに満たされて帰って行きます。
ここにある癒しとは、病いが治る』と言う癒しではなく、
ありのままの自分を受け入れる』事への希望、
日々の小さい出来事や日々の何げない生活の中に、ささやかな喜び感じながら、
その生活を紡いで行く。 その事への感謝と癒しではないでしょうか。

いままでは麻糸の様なささくれた生活を紡いでいるように思えていたけど、
今からはその麻糸が絹糸に変わる。
その心の『奇跡』がここにはあるように思えます。
つづく
 by Y.Y.
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2010年10月1日金曜日

ルルド巡礼記(2)

ルルドは3日間とも快晴でした。

でも夜はとても寒かったです!
ルルドの洞窟では毎晩23時に最終ミサがあり、
引き続き聖体礼拝が真夜中まで続きます。
厚手のセーターに毛のマフラー。
それでも寒くてレインコートも着込みました。
9月初旬でしたが。。。 
雨具とセーターを持って行って本当に助かりました。

しかし、夜中のイベントまで参加するとは。。。
ド・ヴィの本部を車で出発したのが朝5時。

ルルド着が午後1時でした。
夜中の祈りまで参加するというWYDを超えるハードスケジュールとなりましたが、
夜中の祈りは大変静かで、皆の祈りが一つになり
なんとも言えない安らぎに包まれました。
つづく

by Y.Y.
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